国内2026年5月12日·初級

フィリピンのデジタル経済、2025年にP2.74兆に到達——GDP比9.8%を達成

フィリピンのデジタル経済、2025年にP2.74兆に到達——GDP比9.8%を達成

フィリピンのデジタル経済が2025年にP2.74兆(フィリピンペソ)の付加価値を生み出し、国内総生産(GDP)比で9.8%に達したとされています。前年比5.4%の成長を記録し、東南アジア各国のデジタル化推進施策が実を結びつつあります。

引用元

フィリピンのデジタル経済が急速な拡大を続けています。フィリピン統計局(PSA)の最新データによると、2025年のデジタル経済が生み出した粗付加価値(GVA)はP2.74兆に達し、国全体のGDP比で9.8%を占めるようになったと報告されています。前年の2024年には同GVAがP2.59兆だったため、年間成長率は5.4%とプラス圏での拡大が続いているのが特徴です。デジタル化はフィリピンの経済全体における戦略的な優先事項となり、公民両セクターを巻き込んだ変革が進展中。この成長率が維持されれば、今後数年でアジア太平洋地域におけるデジタル経済の主要プレイヤーとしての地位がさらに強化される可能性があります。データ基盤が整備される中、各種施策の効果測定も進みつつあります。

フィリピンのデジタル経済は4つの主要領域から構成されており、それぞれが異なる役割を担っています。ひとつは「デジタル対応インフラ」で、これがP1.79兆の付加価値を生み出す最大のドライバーとなっています。この領域ではICTサービスが27.1%、ICT製造が13.6%、ICT対応サービスが13.3%の寄与を示しており、通信基盤から製造業、サービス業まで幅広い産業の底上げが実現中。さらにeコマースセクターが全体の32.2%と高い寄与率を占めており、オンライン取引の拡大がデジタル経済全体の約3分の1を支えていることがわかります。スマートフォンの普及率向上とモバイル決済インフラの整備が相乗効果を生みだしているものと見られます。

デジタルコンテンツ・メディア領域とデジタル政府サービスは、成長軌道にあるながらもまだ拡大の余地があると言えます。デジタルコンテンツ・メディアが全体の2.2%、政府デジタルサービスが0.3%の寄与に留まっており、これら領域の本格化がフィリピンのデジタル経済成長における次の段階を左右する可能性があります。政府側の行政デジタル化やコンテンツ産業の育成は、人材育成やスキル向上とも密接に関連しており、投資効果が中期的に顕在化するとの見方もあります。国内統計機関も四半期ごとのトラッキングを強化し、政策立案の精度向上に注力する方針です。

フィリピン政府は公民両セクターを対象としたデジタル変革イニシアティブを推し進めており、今後もこの成長軌道が続くとの見通しが主流です。ICT関連の人材育成、スタートアップエコシステム強化、クラウドインフラへの民間投資拡大などが、次なる成長フェーズの鍵を握るとされています。一方、サイバーセキュリティやデータプライバシー対応といった課題も顕在化しており、規制と成長のバランス取りが重要になります。東南アジア全体におけるデジタル経済競争が激化する中、フィリピンがこのモメンタムを維持できるかどうかが、地域経済における存在感を左右する要因となるでしょう。

用語解説

粗付加価値(GVA)
企業や産業が生み出した付加価値の総額。GDP計算の基礎となる指標。デジタル経済が国家経済に占める規模を測定する際の標準指標です。
デジタル対応インフラ
インターネット通信網、データセンター、ICT機器など、デジタル経済を支えるハードウェア・ネットワークの総称。デジタル経済の基盤を形成します。
eコマース
電子商取引。オンライン上での商品販売やサービス提供を指す。フィリピンではスマートフォン経由の消費が拡大し、デジタル経済の最大の成長エンジンになっています。
ICTサービス
情報通信技術(ICT)に関連したサービス業全般。ソフトウェア開発、システムインテグレーション、クラウドサービスなどが該当します。
デジタル政府サービス
行政機関がデジタル技術を活用して市民に提供するサービス。オンライン申請、電子署名、行政手続の自動化などを含みます。